MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜 DVD Special Edition
DVD版の追加要素

>>和泉万夜 シナリオ担当
>>上田メタヲ 企画・原案・ディレクション・画面レイアウト・
グラフィックディレクション・その他雑用担当
>>椎咲雛樹 キャラクターデザイン・原画
>>総まとめ座談会 上記3人が色々ふりかえってみました
>>総まとめ座談会2 上記3人がさらに色々ふりかえってみました




シナリオ担当 和泉万夜

Q.MinDeaD BlooDのシナリオって、これまでのタイトルとどこが違うのでしょう?


シーンによってのギャップでしょうか。
今までのCycでは、基本的に馬鹿っぽいキャラクターは書けなかったので、麻由は短絡的で無鉄砲さを前面に出して書いてみました。
結果、全ボイスの2割は麻由のセリフです。
これは日常会話だけでなくHシーンにしてもそうで、とにかく麻由らしさを大切にしました。
しかし、シーンによっては普段の明るさを完全に消して、残忍で邪悪な面を強く出しているものもあります。
にっこり笑ってとんでもない命令を下したり、とか。
これは麻奈や悠香に関しても同じで、Hシーンになると途端に淫らになったり甘えたがりになったり……
そういう二面性を注意して書きました。

あとは……今回は初めてゼロから生み出したキャラクターが何人かいて、プロットもゼロから自分で書いたものが幾つかあるので、それがユーザーの皆様に好かれればいいなぁと淡い期待を抱いています。


Q.シナリオが過去最大規模ということですが、体験版でプレイできるシナリオが全編の何%くらいなのでしょう?

パーセンテージで表すのは難しいですが、シナリオ全体から考えればほんの一部です。
ただ、今回のゲームはストーリーかアダルトか、で考えればアダルトなので、シナリオの4分の3はアダルト
シーンです。
各エリアの物語も、メインである『Hシーンを見る』の妨害にならないように物語を組み込みました。

Hシーン自体に関しては、短めのもあれば長めのものもあります。 平均すると『蟲使い』と同じくらいかもしれませんが、ガードを7人同時に凌辱するシーンの1.5〜2倍以上の長さのHシーンも幾つかあるので、さすがにやりすぎたなと反省してます(汗)。


Q.今回もキャラクターの数は多めですが、気に入っている、または気に入ってほしいというキャラクターはいるでしょうか?

江梨衣かな。
設定をもらった当初は私も手探りだったのですが、開発が終わった今エリアキャラクターの中で
一番気に入っています。
こういうキャラクターは自分の中からはなかなか出てこないからかな?

他にも数名気に入ってほしいキャラクターはいるのですが、まだ秘密〜。


Q.ゲームの設定から考えれば、エリア制覇→ハーレムエンドが正道かな、と思いますがいかがでしょう?
是非見つけて欲しいイベントとかありますか?

基本的にはエリアの完全陥落を目指すのが目的のゲームです。
このあたりは社内でできる限り時間をかけて、ゲームとして遊べるバランスに調整しました。
最初は誰も完全陥落できなかったのでかなりびくびくしたものですが、最終的にはテスター全員が完全陥落してくれてホッと一息といったところです。
また、今回はかなりイベントを隠しているので、いつそれを見つけてくれるかテスターの後ろからニヤニヤしながら見てました。
「俺の後ろの立つな」とかって追い返されちゃいましたけど(笑)。


Q.これだけの規模となると、Hのシチュエーションが気になるところです。
どんなシチュエーションが用意されているのでしょう?個人的なお奨めは?

お奨め? それはもう、しずるとヒロインの純愛なシーンが……なんですか、その疑いの目は?
誰も信じてくれないけど、私はこれでも純愛モノが好きな人ですよ?

と、まあ私の趣味嗜好はいいとして、シチュエーション……正確にはジャンルかな?
は、できるだけ多くしたつもりです。
こういうのは当然自分だけではカバーしきれないので、周りのスタッフからあれこれネタを提供してもらって
(強引に聞き出して)書きました。
三人寄れば文殊の知恵というやつです(違)。
おかげで自分にはないこだわりどころなどを知ることができ、「なるほど〜」と思うことが多かったですね。
こういう知識だけは日々増えてます、ハイ。


Q.以前、メタヲ氏が日記に書いていましたが、音声の収録に1週間かかったとか…
このへんについて、シナリオ担当としての苦労話など聞かせてください。

ボイス数が制限ギリギリだったので、とにかくセリフの調整は大変でした。
予定していたシーンをざっくり削ったり、べらべら喋りすぎな麻由のセリフを一部減らしたり……。
それでも今回はかなり自由にさせてもらったので、制限は従来の5倍近いです。
今後はもっと上手い書き方をして、男キャラのボイスもつけたいなぁと思ってます。


Q.ズバリ、エンディングは何種類あるのでしょう?

バッドエンドまで含めれば、これもCycでは過去最高なのかな。
あ、悠香に殺されるデッドエンドまで含めれば数え切れないか(笑)。
ちょっと特殊な条件下でないと見られないエンディングもあるので、是非とも見つけ出してほしいです。


Q.最後にユーザーの皆様へ向けて何かメッセージがあれば。

MinDeaD BlooDは、新しい体制で作り上げた第一弾になります。 血と欲に満ちた世界を、どうぞ心行くまで
ご堪能ください。





企画・原案・ディレクション・画面 レイアウト・グラフィックディレクション ・その他雑用担当
上田メタヲ


Q.MinDeaD BlooDを開発するにあたって、これまでのタイトルとどこか違う部分は?


初めて企画というものを出したわけですが、そのとき考えたのは「まず、俺より若いスタッフと一緒にやりたい」ということですね。
まあ、プログラムとかはさておき、少なくともシナリオと絵は自分より若い人とやりたいなあと。
後は、なるべく話し合いながら一緒に決めていける現場にしたいなと。そういう意味では、これまでの作品とは
全く違う開発現場でしたし、個人的にはよかったと思っています。

内容としては。。。「闇の声」という作品があるわけですが、そのときに原画をやっていて「俺ならこっからこうするなあ。ケケ」という個人的なわがままを、全てぶち込んでみました。
まずは全体を覆うダークさというか、閉塞感や厭世感。やたらと感情的な奴が多いこと。人生に後ろ向きな奴が多いこと。あとは、ヒロイン勢の不幸度が高いこと。人がゴミのように死んでいくところ。。。ですか;;
(実はこの時点でもはや「闇の声」とはベクトルが180度逆なわけですが)
それと、絶対に妥協の無い対決モノ、という部分。ハンターと吸血鬼は絶対相容れないものである、という点。
お互いに、相手を許すことは無い、という点。

そんな程度のプロットとキャラ表を出した上で、あとはわりと自由に(と思ってるが実際はどーだろ??)
シナリオ和泉氏に料理してもらいました。
プロットにあった初期シナリオでの排他的な異常さやキャラの硬さは、いい意味で緩和して書いていただけたと思います。


Q.シナリオが過去最大規模ということですが、その理由は?

アダルトシーンの量はきちんと用意した上で、今回はキャラクターの造形をちゃんと書いておきたいというのはありました。
ぽっと出の女の子がいきなり裸になって「ほら」っていわれても、どうにもピンとこないたちなので、最初にできるだけそのキャラクターの造形を見せるというか、無駄でも遊びの会話を入れるとか。そういうことをあちこちやっているうちに、ボリュームが膨れてしまいました。
あとは、メインルートと呼んでいるお話が、思った以上に膨れてしまったのが、制作進行としては結構きつかったですね。
その分、悠香や麻由麻奈の人物像は、かなり見えるようになったのですが、そこから更にネタがでてくるという。。。

アダルト的な部分とキャラのエピソード、シナリオを両立できるようなものを目指していた部分はあるのですが、最終的にそこがうまくいったかどうかは、遊んでいただいた方に判断していただくということで。


Q.グラフィックについては?

雛樹氏の絵は、これまでライトかつポップなものしか世に出ていなかったのですが、個人的に描かれている絵には、結構ダークな雰囲気のものも多く、今回はそういう面を表に出してもらえるといいなあ、ということでお願いしました。
自分の絵だと、もともとダークなものをダークにやってもしゃあないやろ、というのがありまして。 いろいろと作業の都合もあり、絵コンテと仕上げはほぼすべてこちらでやってしまったので、CGの雰囲気は黒サイクの過去作品と近くなってしまいましたが、今後はもっと幅広くやれるようにしたいですね。


Q.今回もキャラクターの数は多めですが、気に入っている、または気に入ってほしいというキャラクターはいるでしょうか?

全員可愛いですが、初期から思い入れがあったのは、榊悠香と葛西今日子、琴蕗江梨衣ですね。
悠香は、悲劇の業を背負った戦うヒロインにしたかったので、いろいろきつい過去を背負ってもらいました。
今日子は、某映画を見ていて思いついたキャラで。。。なかなか「只のスケバンキャラ」イメージがぬぐえなかったのですが、最終的にはいいバランスになってくれたかなと思います。
江梨衣は、私の趣味もあって妙に設定が細かいです。CARCASSの1st『Reek of Putrefaction』に衝撃を受け、デス・ノイズ系のアングラサウンドに傾倒、とか。どうでもいいですね。

ちなみに姉妹については、二人の性格の表裏について和泉氏と結構考えました。
私は麻奈派なのですが、遊んでいただいた皆様の感想も聞かせていただければと思います。


Q.ボイス収録のときの小話などひとつ

スタッフ日記にも書いたんですけど『宇宙食』について、オペレーターの方始め、声優の皆様にも冷たく反応されたのがちょっとだけ悲しかったです。
後日談として、数日後福岡でも店先にバリバリ並んでいたことに、更に追い討ちをかけられました。 まーどうでもいいですが。はい。


Q.画面レイアウトもやっているわけですが、プログラムについて何か?

システム関係でいくと、細かいところでかなり改良がされています。ボタンのアニメーションや、背景のアニメーションなど。
音楽鑑賞画面などは、あまり意味がないのに無駄に凝ってますね。
戦闘など画面効果についても、実はこれまでもエンジンとしては可能だったんですが、ほとんど活用されていなかったので「もったいないなあ」とずっと思っていまして。
全編に手を入れることは難しかったのですが、ポイントを絞って手を入れました。
あと、背景の空を動かしてます!。。。って、なかなか気付いてもらえないんですが;
今後は、このあたりの時間のかけ方も再考の余地がありますね。


Q.最後にユーザーの皆様へ向けて何かメッセージがあれば。

製作過程でいろいろと趣味嗜好考え方もかわってきまして、最終的にはバランスよくできたのではないかと。
基本的には和泉氏と二人であーでもないこーでもないと、たまには険悪にもなりつつ打ち合わせる日々でしたが、それもまた刺激のある毎日でした。
いろいろ反省点もありますが、それはそれで次に生かすとして、まずは『MinDeaDBlooD』を楽しんでいただければ幸いです。







キャラクターデザイン・原画 椎咲 雛樹


Q.MinDeaD BlooDの原画で、これまでのタイトルとどこが違うのでしょう?また、今回は雰囲気を重視した製品であるということですが、その点でなにかあれば。 それ以外で、デザインや原画で、なにか苦労した点等ありますか?


私は、【同人誌即売会をやろう!】(※以後同やる)の原画から、メインの原画描きとして参加させて頂いた訳ですが[※サブでは、神愛等のサブキャラデザイン原画担当とか(*´ω`)ヾモンスターデザインは楽しかったですっv]同やるでは、キャラクターデザインの時点で規制がいろいろありました。
服1つにしても、スタッフの時ぐらいオリジナルコスチュームで〜などと提案をしていたのですが、地味なイメージへとリテイク。。(涙。

そんなこんなで、自由があまり無かった同やるに対して、【MinDeaD BlooD】(※以後マイブラ)では私好みの世界観をデザインできた事と、ある程度自由にメイキングさせて頂けた事が一番大きいかと思います。 ですので、マイブラのキャラには思い入れもその分あって今までの作品とは違い、より自分のスタイルに近いものを描けたのではないかと思っております。

デザインの特徴としては、ヴァンパイアものという事もありゴシック風味仕上げになっております(w
ゴシック系のデザインなので、細かいギミックなどにも懲りたかったのですが、そこは、短期間で複数枚数を描かないといけない事もあり、シンプルにシンプルに・・・(汗。
ゴシック好きな方には、多少物足りないかもしれませんが、その辺は脳内変換で・・・と云う事で・・・(涙。
今後、イメージイラストなど時間たっぷり頂けるならその辺も描きたいなぁとか思ってます^^

それから、パイルバンカー!設定を渡されたときは、肩から腕にかけて機械的なごっついイメージでラフを起こしていました;
でも、これじゃ戦闘しにくいなぁと思い、シールドにもなる今のシンプルなものに変更。。
この時はまだコンソールパネルは表面に無くスライド式のイメージを考えていたのですが、解かりやすい方がいいだろうと表面に設置。。。
でも、これじゃ、盾として受けちゃったらコンパネ割れちゃうジャンと思いながらも放置(w
強化パネルなんだよと自分を納得させるのでした。。。


Q.今回、キャラクターの数は多めですが、気に入っている、または気に入ってほしいというキャラクターはいるでしょうか?

お気に入りは麻由たんですw
声がついた頃からいっきに頭の中で動き始めました。
麻由麻奈の掛け合いが楽しいです^^

デザイン的には江梨衣。とにかく面倒でした(w
西洋人形っぽいイメージというのもあり、デザインの段階ではかなり楽しく描いていたのですが、原画を1枚2枚と仕上げていくたびに・゜・(ノw`)・゜・
ですが、その分、描き甲斐もあるキャラだったのでとても気に入っています。

あとは、主人公のしずる君など男性キャラかな。
過去の作品だと、主人公の目を隠したり、男性キャラはあまりかっこよく描けなかったので、私なりにできるだけかっこよく描いてあげようという気持ちを込めて描きました(w


Q.アダルトシーンが大半を占めていたと思うのですが、原画としてそれについて苦労した点や考えた点などありますか?

しっかりとしたメタヲ氏のコンテが今回ありましたので、構図などで悩む事は無かったですが、その構図を原画にする作業が泣きそうでした;複数人数モノは、今回初挑戦と言うこともあり{この男がここで、こいつが下か。。。んでこいつが上で。。ん!これどこから生えてんだっ;;}などと、シナリオに合わせて表現するのがひぃぃ・・・;
1枚にかけられる時間をかなりオーバーして、天にも昇る気持ちでしたよ'`,、('∀`) '`,、


そんな中で一番苦労したのは、差分地獄。。。
気分は半分以上、アニメーターになった気分でした・・・;
腕の差分なんて可愛いもの、頭動かし差分のは、別アングル描いた方がいいのでは?と正直悩みましたね^^; 原画がこれだけ有るという事は、、当然塗りや仕上げにもこれ以上ある訳で・・・;
スタッフのみんなぁ。。。よくがんばったねっ・゜・(ノw`)・゜・

今回純粋に原画だけだったので、製作中個人的に楽しみだった事があるのですが、それは、スタッフが仕上げてくれる完成CGを観る事が楽しみでしたw
色設定も塗り仕上げも全てお任せモードだったので、おお!こう来たか!などと、1人寂しい小部屋でニヤニヤしてましたw
自分のイメージとは一味違ったカラーで仕上がってくるキャラを見るのも、これはこれで楽しいものですね(w


Q.最後にユーザーの皆様へ向けて何かメッセージがあれば。

MinDeaD BlooDは、個人的にも大好きな作品に仕上がりました。
Hシーンはいろいろ楽しんで頂けるのはもちろんの事ですが、このMinDeaD BlooDの世界で生きているキャラクターの物語も是非楽しんで頂けたらと思います。








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