昔を思い出すと、心が痛む。

元気だった七深が、少し走っただけで咳き込んでしまう。

――なっくんと、もっと遊ぶんだもん!

泣きながら必死に訴える七深の顔を思い出すと、辛い記憶が蘇る。

ああ、そうだ。

七深を守るから。

そう約束したのは、あの時だった。

なんで、そんな事まで忘れていたんだろう僕は。

幼い僕は、とにかく安心させたかったんだ。

目の前で泣いている、幼馴染の涙を見たくなかったから