公博
「なに、どしたの?」

胸元を左腕で押さえながら、フリー右手で俺を呼び寄
せる会長の元へ、今度は流れに乗って泳いだ。


「……」

公博
「会長?」

すぐ傍までやって来た俺のこと、ジィッと見つめる。


「ままよ」

公博
「は? ちょ、いきなり何して……」

そして、いきなり会長は俺の肩に手を掛けて身体を密
着させる。

行動の理由が理解不能であった俺は、ただただ驚きで
うろたえる。


「頼むから動くな、じゃないと悟られる」

公博
「は? 何?」


「……流された」

公博
「え?」


「……胸の部分の水着、どっか行った」

公博
「そいつは、非常にクレイジーだ」

合点が行った。この体勢は、露出してしまった胸部を
隠すためのカモフラージュというわけか。にしてもだ
な……。スレンダーな身体にしては大きなふくらみが
俺の胸に押しつけられた

公博
「そうすると、今俺の身体には、会長のが生で直に当
たって……」


「言ーうーなー……」