彼女はぎこちない手つきでそれを取リ出して、 
                        自分の眼の前に晒し出した。                         
                        【司颯】 
                           「あ、あんまりジロジロ見るなって……」 
                        さっきまで自分のしていたことを棚に上げて言うが、 
                          彼女は硬く熱を帯びたそれを大事そうに両の掌で包み込んだ。 
                        【司颯】 
                           「お、おい……うっ?!」 
                        彼女の唇が、俺のものにキスをした。 
                          突然の行為に恥ずかしいやら、焦るやらだ。 
                        【冬萌】 
                           「んっ、んっ……ふふっ。ねえ、こうすると気持ちいいんだよね?」 
                        【司颯】 
                           「そ、それは……くっ!」 
                        俺の返事を待つまでもなく、彼女はまるで 
                          ついばむようにキスをしてゆく。 
                        【冬萌】 
                           「んっ、んちゅ、んんっ、んふっ……」 
                        唇の次はちろりと伸ばした舌先で舐める。 
                          俺の股間でいきり立つそれは、たちまち彼女の唇と 
                          舌とでぬらぬらと光沢を帯びていた。 
                        【司颯】 
                           「んっ、な、なあ、そんな無理しなくても……」 
                        【冬萌】 
                           「無理じゃないよ……あ、むふ、う……」 
                        休む間もなく今度は口全体で俺のものを愛撫する。 
                        【冬萌】 
                           「んく……んむっ……ふ、うっ……んく……」 
                        ねっとりとした口腔に包まれ刺激を受ける俺のもの。 
                        【司颯】 
                           「ま、待てって、そんな──」 
                        まるで身体中の熱が急速にその一点に集中するような 
                          錯覚に襲われる。つまりはもう、限界だった。 
                        【冬萌】 
                           「ん、んっ、んむ……んんっ?!」 
                        【司颯】 
                           「──くっ?!」 
                        あわてて腰を引いて彼女を離そうとするが遅かった。 
                        【冬萌】 
                           「ん──んふあっ?!」 
                        口の中から抜き出されて、行き場をなくした欲望の証が、 
                          彼女の顔に、髪に、そしてシャツの胸元に 
                          たぱたぱと白い花びらを散らした。 
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